ディーン・チェン
解放軍が一貫して情報通信技術(ICT)を重視してきた。
軍は91年の湾岸戦争以来、一貫して
陸海空軍の舞台を有機的に作戦させる
能力の向上を目指してきた。
急速に進歩するICTはその基礎であり、
サイバー関連の技術開発やインフラ整備は、
軍が目指す方向の中心にあり続けた。
解放軍のサイバー能力が高く、
近年その活動が活発なのは、
四半世紀にわたって蓄積した努力の成果である。
解放軍が軍民を問わずサイバーの分野で
大きな役割を負っているのは、
党指導部が命じた事だった。
90年代に近代化の一環として、
それまで軍が経営してきたビジネスを禁止した際、
遠距離通信に関しては例外的に引き続き軍に担当させた。
中国におけるインターネット環境は、
官製あるいは軍事仕様である。
だからサイバー空間を行き交う大量の情報を統制することは
さほど困難でない。
解放軍は党の軍隊であり、その政策を支援するための
政治戦を担当する。
その手段としての心理戦、世論および法律戦では
軍が培ってきたサイバー空間での
行動能力がカギとなる。
孫子以来中国が伝統とする政治戦略レベルでの
情報の分野では欠かせない要素だ。
その要素とは、情報収集、欺瞞、敵情報組織の無力化である。
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