山本昌仁

洋菓子部門の「クラブハリエ」が絶好調

(バレンタインは一カ月で7億円)、

フラッグシップ店「ラ コリーナ近江八幡」の集客が

285万人という、驚異的な数字を叩き出している、

今注目の企業を扱った。

企業の社会的責任が重要視される今、

地域社会と共存共栄するビジネス作りは、もはやマスト。

不便だから行かない──。もうそんな時代ではありません。

不便でも、そこでしか見られないもの、

体験できないものがあれば、お客様はやってくる

ラ コリーナはあくまで出発点であって、

最終的には近江八幡の町全体を変えていきたい。

遠くからでも遊びに来たい場所、終の棲家として

移り住みたい場所に

成功した近江商人には、故郷に橋をかけたり、

寺社仏閣に寄進したり、

山に木を植えて治水をやる人が珍しくない

菓子屋の商いに季節性は必ずついて回ります。

もちろん、季節に合わせて多品種を用意する

苦労はあるのですが、和洋菓子を展開して

いるおかげで売上が安定しているわけです

名前が恥ずかしいというわりには、

種家は地元で高級品というイメージをもたれていました。

名物は栗饅頭と最中でしたが、

周囲と比べると倍ぐらいの値段がした。

近江八幡限定ながら、敷居の高いお店だった。

これは進物用として使われることが多かったからです

たねやはバブル時代、ホテルや料理屋などから

大口注文をとることをやめ出します。

二〇〇〇年代に入る頃には、ほとんどなくなりました。

値引きしてでも大量に卸すことより、店で売ることを選んだ

実は、我が家には家訓がありました。

父も、祖父から耳が痛くなるほど言い聞かされていた言葉です。

支店出すべからず──。

身の丈をわきまえず手を広げると、

商品がいい加減なものになり、

いずれ事業はたちゆかなくなる。

だから、本店の商いに集中すべきだ、という教えです

自信のあるものだけで勝負する

移り変わりが激しい場所よりも、

ずっと変わらない場所のほうが継続した商いができる

「売れへんもんを一所懸命作ったら、ゴミになるんやで? 

そしたら農家の方に顔向けできんやろ?」

飢饉で自分だけが生き残ったとしても、

商いする相手が誰もいなくなったのでは意味がない。

苦しいときにみんなを助けるのは、

長い目で見れば自分のためにもなります

エンシンオイル、メーカー、OEM仲間の経営塾