小林正観

「8月のお盆がくるのが嫌だ」という話をされた方がいました。「8月は、めちゃくちゃ忙しくて寝る暇もない。でも、1年分の稼ぎがそこに集中する」そうです。
私は、その人にこう尋ねました。「では、あなたは、8月のお盆になっても仕事がこないこと、仕事が殺到しないことを望んでいるのですね」その方は、しばらく考えてからこう答えました。「いいえ、8月の仕事がこなくなると困ります」1年分の稼ぎがそこで上がってくるのですから、8月に仕事が殺到しないと困るのは当然なはずです。

「忙しくて嫌になってしまいます」という言葉を、宇宙に向かって言っていると、神様はそれを聞いて、「忙しくないのが好きなのだったら、忙しくないようにしてあげます」と考え、その通りにしてくださるようです。
ある時期にたくさんの仕事があって楽しくやっていたのに、いつの間にか仕事がなくなって売上が上がらなくなった、という人には「ある共通項」があります。それは、「忙しいときに、愚痴や泣き言をさんざん言っていた」ということです。神様は愚痴や泣き言をすべて聞いていて、「あなたは、忙しくないことを望んでいるのですね。そうですか、わかりました」と言って、仕事も売上も取り上げてしまいます。だから、「忙しいことが、どれほど嬉しくて楽しいことか」といことをきちんと理解したうえで、誠実に仕事をした方がよさそうです。

今ある幸せに慣れてしまって、それを当然だとか、当たり前だとか思ってしまうことは多い。「ありがとう(有り難う)」の反対は、「当たり前」だ。「ありがとう」とは、有ることが難い、すなわち、この世に存在することが稀であるということ。「忙しい」ことは、ヒマで仕方がない、仕事がまったくない人から比べたら、天国ようようなこと。その忙しい状態に慣れてしまうと、つい文句が出てくる。
起業した会社の10年後の生存率は10%を切っている中、本当は、「忙しい」ことは、稀なこと、奇跡なのだ。つまり、感謝こそすれ、文句をいうなどはとんでもない。

カガミの法則では、文句を言えば、文句を言ったことが、そっくりそのまま返ってくる。「忙しくて、やってられないよ」と言えば「やってられない」状況がそのうちやってくる。
多くの人は、今ある幸せに感謝することを忘れている。病気になったり、ケガをして動けなくなったり、会社の業績が悪くなったりしたときに、はじめて、今ある健康や、仕事があること、家族の助けなどの「有り難さ」に気づく。

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