競合他社との「違い」を作ることです。
メーカーの製品に喩えるならば、
その製品にほかの企業の製品にはない「違い」があるからこそ、
顧客に選ばれるのです。
「違い」には程度の違い=OE(Operational Effectiveness)と
種類の違い=SP(Strategic Positioning)があります。
OEは、体重、身長、髪型などなんらかの尺度によって測れるもの。
一方、SPは、性別、職業、趣味など、明確な指標がなく
優劣をつけられないものです。
betterとdifferentの違い、と言ったら分かりやすいでしょうか。
「より、いいものを目指すこと」というのは、
決して悪いことではない。
ですが、いたちごっこになりがちです。
製品価値の賞味期限を延ばすのではなく、
かえって縮めてしまうこともある。
例えば、シェーバーの刃は1枚よりは2枚にした方が
よく切れますよね。
「じゃあ、他社の製品よりも、いいものを作ろう」と思って
メーカーは刃を1枚、2枚、3枚とどんどん増やしていく。
一見正しいことのように思えますが、
6枚や7枚になっていくとしたら?
ここには、危険な落とし穴があります。
OE(程度の違い)=betterの追求には、物理的な限界があります。
ちなみに、シェーバーの刃はあまり多いと
サイズが大きくなりすぎて、顔に当てられない
といったような限界がある。
加えて、そもそも顧客の認知における限界もある。
シェーバーの刃が5枚から6枚や7枚になったところで、
製品に対するイメージは、たいして変わりませんよね。
もうひとつのデメリットは、「よりいいもの」を
追い求めていると、「違い」を作っているような気に
なってしまうことです。
今の日本の企業の多くが「より、いいものを作ろとすること」にのみ、
リソースを費やしてしまっている。
しかし、そこには物理的な終わりが待ち受けている。
顧客の認知的な終わりはもっと早く来る。
我々は、終わりに向かっていたちごっこをやっているんです。
戦略を構築する場合には、
まず、SP(種類の違い)の方を明らかにすることが大事なんです。
他者との程度の差ではなく、種類の差を作ろうと目覚めた、
エンジンオイル、OEMの櫻製油所でした。
エンジンオイル、OEMの櫻製油所でした。